冷 え
私は施術を受けて頂いたお客様がお帰りになられる前にはよくこのような助言をしています。『冷え』から体を守るみなさんは『冷え』というと『冷え症』を頭に思い浮かべることでしょう。「私は別に冷え症じゃないし、冬でも手足は暖かく関係ない。」という人も多いと思います。しかし『冷え』と『冷え症』は違います。『冷え症』は、手足が冷たいということが自覚されるのですが、『冷え』を自覚していない人の方が重症の冷えを抱え込んでいることがあります。『冷え』は女性に多いように思われていますが、男性にも言えることなのです。 『冷え』を持っていては自然治癒力も高まりません。普段から『冷え』を無くすように心がけておきましょう。
『冷え』によって起こる症状
首・肩のコリ、頭痛、手足のしびれ、腰痛、ギックリ腰、便秘、肥満症、 糖尿病、生理不順、子宮筋腫、高血圧、動脈硬化、肝臓病、心筋梗塞、脳血栓、脳梗塞 など
『冷え』をつくらない心がけ
1 足元は温かく
冷えをとるには足元を温かくすることです。冷えは足元から始まります。
自覚、無自覚に関わらず足を冷えの状態にさせておくと次第に身体全体が「冷え」となり、慢性的に進むと腰痛、ギックリ腰、ふくらはぎが急に痙る、などの症状を引き起こすだけでなく、疲れが抜けにくく体調も崩しやすくなります。女性の場合、生理の時はちょっとした冷えでも体調を崩しやすくなります。
足が冷える要因には、
- 足元を冷やしてしまう環境に長くいる
- 下肢関節の歪みと拘縮による血行不良
- 過労や心身のストレスで脚筋肉が過緊張を起こしている
- 爪先の細い靴やヒールを履き続けているために足指を窮屈にし負担をかけている
- 筋肉量の低下で代謝が悪くなり身体の熱を生み出す力が低下している
などが考えられ、それら要因の改善が必要です。
2 食べ過ぎに気をつける 「腹八分」
食べ過ぎると血中コレステロール値が上がることは広く知られています。
つまり血のめぐりが悪くなり、冷えを作り出す要因となります。
3 クヨクヨせずに、明るい気持ちを持ちましょう
心の乱れは冷えを呼び、病気を呼び起こします。感情が波立てば当然頭に血が昇ることになります。そうすると足元が冷えて、血管が縮む、循環不全になるということです
笑う、笑顔でいることによって体の免疫力を高まっていくことが科学的にも証明されています。個人個人、性格的なものあり案外 言うは易く行うは難しかもしれませんが、笑う、笑顔をつくることは体を守る一番の方法です。
貼るカイロと入浴で冷えをとる
・市販の貼るカイロを使って冷えをとる
私はお客様によくこの方法を薦めています。女性に限らず男性も行ってみてください。そして今は夏でもクーラーによって冷えている場所が多いです。特に夏にクーラー病などの冷えでお困り方は行ってみてください。
〈カイロを貼る位置〉
低温火傷を起こさないために必ず衣服の上からカイロを貼ってください
(1)腹部に貼る場合
① みぞおちに貼る
胸骨最下部の凹んだ所に貼ります。
胃腸の調子が悪い方には効果があります。つい食べ過ぎてしまった時は胃薬を服用せずに、みぞおちにカイロを貼ってみてください。徐々にお腹がやわらいで、息苦しさもなくなってき
ます。この位置に冷えを持つと腹筋が硬くなり、感情が不安定になります。 腹筋が硬い人は怒りっぽいようです。
② 下腹部に貼る
おヘソからやや下に位置した箇所に貼ります。下腹部の冷えに効果あります。下腹部には泌尿器や婦人病、消化器 他に効果があると言われているツボがあります。 特に女性は下腹部をよく温め冷えから体を守ってください。
(2)背中に貼る場合
③ 左右肩甲骨上端の間にあたる、首の付け根の位置に貼る
ちょうど頸椎の7番と胸椎1・2番を覆いかぶせるようにして貼ります。この辺りは『風門』というかぜを予防するツボがあります。
冷えをなくし、温かくし、この周辺の筋肉を緩め、かぜを予防しましょう。
④ 左右の肩甲骨の間の背骨に貼る
もし寒気による冷えが要因で首・背中に痛みを感じる方は、 胸椎5・6番の辺り、または左右の肩甲骨の間.の背骨を目安に貼るカイロなどで背中を温めて血行をよくして予防をしてはいかがでしょうか。 おヘソからやや下に位置した箇所に貼ります。下腹部の冷えに効果あります。下腹部には泌尿器や婦人病、消化器 他に効果があると言われているツボがあります。特に女性は下腹部をよく温め冷えから体を守ってください。
(3)足元に貼る場合
図のように足先の甲に小さめの貼るカイロを貼り温めて下さい。
いつも足先が冷えて寝ているときでも足先が冷たく感じて辛いという方、職場等で足元が常に冷えた環境にいなければいけない方も可能なら貼るカイロを貼って予防保護に努めて下さい。
足先に冷えがある方の特徴として膝裏、ふくらはぎ、アキレス腱の筋肉が過緊張を起こしています。アキレス腱から始め膝裏まで下から上へと張って緊張した筋肉をやわらげ血行を促し、そして足首をよく廻して関節をやわらげることも併用して行ってください。
衣服などは、あまり締め付けるような衣服を着ずに少しゆったりとした衣服着るようにされたほうが良いでしょう。
・入浴で冷えをとる
少しぬるめの温度(38~40度)のお湯に20~30分ぐらいゆっくりと入ります。まず足湯をします。足湯は体の末端から心臓に向かって戻る静脈を温め、全身を中心に暖めることが出来ます。足湯だけを行っても良いでしょう。次に、腕をつけずに、胸から下だけつかるようにして下さい。ほどよい汗が出るようになればよいです。
体が温まった後は湯船から出て、すこし体を冷ましましょう。そうすることで体表面が引き締まり、熱が逃げにくくなります。来店されるお客様の中にはシャワーで済ますか入浴しても熱い湯でカラスの行水で終えてしまう方が多いようです。そんなお客様には私は必ず湯船につかることを薦めています。
冷えをとり、筋肉を緩めてから睡眠をとることで一日の疲れを癒すことできるのです。
熱い湯でカラスの行水はやめましょう。
どうしてもシャワーで済まさなければいけない時はカイロを貼る同じ位置にじっくりお湯を当て、少しでも冷えを解消してください。冷えは一長一短では改善されませんが、自分の体を守る、という意識が大事です。