肩こり

肩こり、首のこりも筋肉の疲労で姿勢が悪くなることでおこる症状ですが、どのような条件があると起こるのでしょうか。

〈肩こり・首のこりが発生する原因〉


① 上肢の運動疲労によるもの

腕の運動疲労といっても肩関節のよく可動され筋肉の伸縮運動がおこなわれている状況では肩こりは感じにくく、どちらかといえば労働的な運動を行うと肩こりを感じ易くなります。特に指先を酷使させ腕の伸縮運動の少ない作業の労働やパソコンなどをよく扱うような仕事を行う方です。関節の伸縮運動が少ないために腕の深筋を疲労させるため頸椎神経を緊張させてしまい、肩こりから首のこりへと変わっていきます。現代は職場でもご家庭でもパソコンを使用することが当たり前です。腕を大きく運動させていくことが少なくなっています。それが慢性的に首と肩を緊張、拘縮させていきます。


② 姿勢の悪さ

姿勢が悪くなるとで無意識に僧帽筋、起立筋、広背筋を緊張させて姿勢を安定させようとします。この筋肉が慢性的に緊張し続けると背筋のこりから肩こり、そして首のこりとなります。
長時間渡り同じ姿勢維持しなければいけない状況にある方ほどこの傾向が強く表れています。

③ 顎関節の異常から

顎関節に異常のある方は肩こりだけではなく多くの疾病を生みだします。
噛み合わせが悪いと胸鎖乳突筋を緊張し、頸椎を傾斜させます。傾斜による首の圧迫で肩こりを感じるようになります。歯科治療の最中にある方やストレスなどで無意識に顎に食いしばりがみられる方は頚椎の歪みと顎周辺の筋肉に緊張や拘縮が発生することで慢性的な首のこりと同時に肩こりを感じることがあります。

④ その他の原因

・目の疲れから
眼精疲労による視神経の緊張から首を緊張させ肩こりを感じることがあります。
パソコンに向かう機会が多い人にみられます。・睡眠不足
睡眠が不足の人は体の疲れと緊張が常にあります。・内臓の病気から
内臓の病気は、関連痛(神経の混戦で、病気の部位とは離れたところにあらわれる痛み)として、肩こりをおこすことがあります。特に、慢性化した内臓病は自覚症状に乏しい傾向があり、肩こりが唯一の警報である場合もあります。・頸椎の異常から
頸椎の異常または頸椎の老化のよっておきる変形性頸椎症、変形性椎間関節症などでおこります。または胸郭出口症候群などによっても肩こりを感じます。

〈対処法〉

(1)温熱法

患部を温めることで筋肉の緊張を緩和させ血行をよくさせます。この方法は肩こりだけでなく腰や目の疲れにも効果があります。

・蒸しタオル法

少し熱めのお湯に浸けよく絞ったタオル、また電子レンジで温めたタオルを首筋から肩に当てじっくり温めていきます。タオルが冷めてくればまた温め当てて下さい。5回くらい繰り返してください。

・貼るカイロを使う

首筋から僧帽筋の範囲にかけて市販の温熱のシップ薬や貼るカイロを貼って温めます。直接地肌に貼る温熱シップ薬は低温火傷をおこす恐れがありますので、衣服の上からカイロを貼って、じっくりと温めていくほうがよいと思います。

(2)首筋から腕にかけて歪みと緊張を解消させる体操

首はよく動される腕の方向へ傾き収縮していく働きがあります。それが首から肩の緊張へと繋がります。腕を横に広げ軽く引っ張られているような気持ちで伸ばします、そして頭を伸ばした腕の反対方向に倒し首筋を伸ばします。力を入れて行わずに首筋がゆっくり気持ちがいい程度に伸ばしていくようにして下さい。もし痛みを感じるようであれば止めてください。また腕を動かさず、肩甲骨を意識して肩を後方に回して筋肉を和らげる体操も効果があります。コツは肩を回すというよりも肩甲骨を動かすことを意識して行うことです。

〈施術を受ける目安〉

対処法を行っていても緩和されず首や背中のこりや張りを感じるようであれば、姿勢や他の箇所に歪みと筋肉の拘縮があると思われますのでケアが必要かと思われます。

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