過緊張
『過緊張』とは・・・
『過緊張』とは、体や心の緊張が進んでしまい、ゆるめたくても自分ではゆるめられない状態です。
たとえば、毎朝、目覚まし時計が鳴る前に目が覚めてしまうということはありませんか?それは仕事へ出かけなければならないという緊張状態からくる一種の症状で、ストレスが溜まっていく前ぶれなのです。病気とまではいえないが、ほっておくとよくありません。
体が『過緊張』の状態が続くと・・・
脊柱の歪みができ、姿勢が悪くなる
寝起きなのに肩こり、背中がこる、腰が痛む
眠りが浅く夜中に何度も目が覚める、トイレに起きる
暑くもないのに汗をかく
喉や胸につかえを感じて呼吸が浅くなったり、過呼吸を引き起こす
自律神経のバランスを崩し、冷え性、アレルギーを引き起こす
病気というほどではないが健康でもない、いわゆる「未病」を引き起こす
『過緊張』は心の緊張へとつながります。 心の緊張が続くと・・・
就寝に入っても悩み、仕事のことなどが頭から離れず常に考えてしまい眠りが浅くなる
覚醒作用のある交感神経のリズムが夜になっても乱れ、興奮状態が続き、不眠になる
内臓の緊張が腹部の硬さとしても現れ、食欲不振、消化不良をはじめ内臓疾患の原因となる
怒りや不安、恐怖といった負の感情を抱きやすくなる
体のだるさと疲れが抜けず、何をするにもおっくうになり、最悪、欝になる
几帳面、まじめ、頑張りすぎが「過緊張」を引き起こす
『過緊張』に陥る人は、何事にも一生懸命で几帳面、まじめ、頑張りすぎる人に多いようです。
『過緊張』は、女性の場合は冷え症や肩こりに表れたりしますが、男性は体が丈夫な分、なかなか症状に表れてきません。しかし精神的ストレスが影響して、男性も女性も知らず知らずのうちに過緊張に陥りやすくなっています。
その日の疲れは、その日のうちにとる
『過緊張』は覚醒作用のある交感神経のリズムが夜になっても乱れたままで、リラックスするための副交感神経が働かないことで起こります。結果として興奮状態が続いて、その日の疲れがとれなくなります。
そういう意味では『冷え』と同じく「過緊張は万病のもと」と言えます。
これらの『過緊張』には、まず手技によって硬くなった筋肉をゆるめてあげることが大切です。 手の温もりが体(筋肉)と心の緊張をほぐしていくはずです。
そして、ゆっくりと風呂に入って体を温める、適度な運動をすること 軽く汗ばむくらいの運動は筋肉の緊張をほぐし、精神的にもリラックスさせていきます。
しかし、緊張をほぐすために「運動をしなさい」というと、それがかえってプレッシャーになってしまい、疲れきっていても運動をしなかればと義務として捉えさらに過緊張を増幅させ、自分の知らないうちに「未病」に陥ることがあります。
少しくらい怠け者になってもいいです。
自分にあった方法で体の緊張をゆるめる工夫が必要です。
「心身一如」の中に…
心と体は一心同体です。体が疲労すると心も疲労し、普段、楽観的に考えられていたことでも悲観的に考えるようになります。心を病んでしまうと筋肉も硬くなり、疲れやすく、病気にもかかりやすくなります。言わば「邪気」を受け入れやすい状態になります。
心と体とが、心から体・体から心へと何のひっかかりもなく動いてゆくことが大事です。
仏教で言う「心身一如」です。この「心身一如」のところに身も心も一つにすることで人生を活発に生きることができる、と思います。そこに健康が見えてくるのではないでしょうか。