棘下筋を考察

2023年06月10日

肩甲骨棘窩と上腕骨の上端に付着する棘下筋。この筋肉自体に凝った感覚や痛みが起きるといったことはあまりなく意外と見逃しやすい筋肉ではないであろうか?

運動機能としては肩を外旋させ、回旋腱板の一部として機能し、上肢肩関節が外転した時と身体の筋緊張が生じると同時にこの筋肉にも緊張が生じると見られるが、この棘下筋を見るべき所は運動機能でなく静止状態の時ほど緊張反応が起きていることにあると思われる。

つまり、左右肩甲骨上肢帯筋群や後背筋群の運動性、疲労性の緊張や神経性からくる身体の筋肉の緊張を吸収し、静かに受け止め、静かに緊張していることで身体に起きる運動系のゆがみを補正し安定へと保とうとしているとイメージし考察しています。

だが、あまり緊張反応の起きない棘下筋でも疲労などの要因によって肩甲骨が内転し、前へと圧迫した状態になると棘下筋の緊張が高まり、自身に感じることのない過緊張状態を維持するようになる。また肩甲骨上肢の疲労性の緊張、姿勢の立て直しなど身体にかかる筋の収縮が増すと同時に棘下筋の緊張がさらに増ようになる。

そして、肩甲骨の内転によって菱形筋が同時に拘縮し、棘下筋自体にはコリの感覚は起きないが、その代わりに肩甲骨周辺や左右肩甲骨間の背中にコリを感じるようになる。また感覚肩甲骨上肢帯の柔軟性、運動力の低下による肩関節鍵盤の拘縮させていくようにもなり、上腕骨腱板に痛みや肩関節可動の低下など引き起こす要因にもなり、また肩が引きあがった状態へとなるために胸部、後背部、頸部、そして身体全体が常に過緊張状態になる。

ある書籍で、この筋肉が凝った状態にある人は、どこか焦りを感じている人が多いと記述していたことを思い出しました。

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