鎖骨下第一肋骨を考察
鎖骨そして胸鎖関節鎖骨下に位置し胸骨柄と連結する鎖骨下第一肋骨は肩甲骨上肢帯の運動機能よる影響を受けている。
左右の肩甲骨上肢帯の運動によって起きる筋緊張差と肩甲骨上肢帯と胸部、頸部の平衡バランスの転位を鎖骨下第一肋骨と付着する鎖骨下筋の収縮緊張することで頸部、胸部、肩甲骨帯のバランスの転位を修正し安定した状態にさせているとみられる。
肩甲骨上肢帯の運動で影響を受けると記述したが主動的に運動させる肩甲骨上肢帯側の鎖骨下第一肋骨には負荷は少ないが、上腕骨頭を軸に運動させている側の鎖骨下第一肋骨に拘縮が強くみられる。上腕骨頭を軸に運動する肩甲骨上肢帯の状態を観察すると肩甲骨・肩関節が挙上外転し、回内強調で上腕骨が内旋した状態にある。 過去に元マラソン選手オリンピック金メダリストのT・Nさんが練習中に左鎖骨下第一肋骨を疲労骨折されたというニュースを耳にしたことがあり、恐らく左肩甲骨上肢帯が上腕骨頭を軸に運動させて続けていたことによると推測した。
一般の方では、やはりパソコン業務を代表するようにあまり可動域が少ない運動での疲労性緊張によるものが鎖骨下第一肋骨を拘縮させる率が高いとみられる。この鎖骨下第一肋骨とそれに位置する箇所を拘縮させていくことは常に上肢を内旋緊張した状態で維持され肩甲骨上肢帯の可動運動機能を低下させ、常に腕に重みを感じることになり、肩関節上腕が内旋にあることで三角筋の外側が緊張痛または肩関節周囲炎などの関節痛を起こすようにもなる。
また左右肩甲骨上肢帯の過緊張と共に肩甲骨上腕関節をも慢性的に拘縮させた状態になれば上部側胸部、胸郭・肋骨を過緊張、拘縮させていき、胸郭出口内の第一肋骨肋椎関節を硬直した状態にさせていく。第一肋骨には斜角筋も付着していることで鎖骨下第一肋骨の拘縮と共に胸鎖乳突筋の過緊張、斜角筋を拘縮させ頸椎を収縮過緊張状態にし、慢性化すれば首に痛みを起こすようにもなる。